Ministerial Direction 111 - 学生ビザ GS審査基準
学生ビザの申請条件として Genuine Temporary Entrant Requirement – 真正な一時入国(GTE)要件を満たす必要がありますが、具体的な証明方法は提示されておりません。その代わりに、移民局の担当者がGTE審査の際に従うべき指針が示されています。その指針が書かれているのが、Ministerial Direction No. 111(指針番号111)です。
Ministerial Direction No. 111は、学生ビザ申請者のために書かれたものではなく、ビザの審査を行う担当者のための指針ですが、ビザ申請者にとっても審査基準を知ることは有用です。
学生ビザの申請条件やGTE要件に関する詳しい情報は、以下のページをご確認ください。
Ministerial Direction 111(MD111)とは何か?
- 導入日と背景
MD111は、2024年12月19日付で施行された「学生ビザ(Subclass 500)」の省令で、従来の Ministerial Direction 107(MD107) を正式に置き換えました。
MD107は「ローリスクな教育機関優先」の運用で、地方や小規模校に不公平な影響を与えていたため、多方面の批判を受けていました。MD111はすべての海外からSubclass500(学生ビザ)申請予定者が対象です。
主な目的
- 偏りのない審査の公平性確保
教育機関の海外学生受入数の上限(net overseas student commencements : NOSC)に基づき、入学計画数の80%未満の教育機関についてはビザ申請を優先処理することで、処理の偏りを是正し、中小の教育機関にも海外からの生徒が公平に分配される。指針MD111は、中長期的なオーストラリアの教育目標に沿ったビザ申請の公平なプロセスを確立するために設計されています。
ビザの優先順位
| ビザ処理の優先順位 | |
| Priority1 (ビザの処理が速い) | 2025年受入予定の80%未満の高等教育・VET 教育機関 ・学校セクター・研究学位(HDR)・奨学金受給者 ・TAFE コース受講者 ・太平洋諸国・東ティモールからの学生など |
|---|---|
| Priority2 (通常の処理) | Priority1に該当しない申請(例:80%超えた教育機関の申請者、その他の留学申請者、次期入学者など) |
留学生への影響と対策
- 早めに申請することが重要
教教育機関が80%に達するまでは「優先処理」されるため、早期にCoE(入学許可証)とビザ申請を完了させることが重要です。 - 教育機関の選択が鍵に
地方の大学や、受入キャップに余裕のある機関を選ぶことで、Priority 1 処理の可能性が高まります。CoE発行数などを確認すると良いでしょう。 - *家族帯同(次期入学者)は Priority 2 の可能性あり
本本人がPriority 1でも、帯同家族は一般的に Priority 2 扱いとなり、処理が遅れる場合があります。
まとめ
- 教育機関が80%の受入予算に達するまでが優先処理対象(Priority 1)。以降は通常処理(Priority 2)になります。
- 特定のカテゴリーや地域の学生は例外的にPriority 1対象に含まれています。
- 上限制度ではなく処理戦略上の措置であり、公式上限ではありません。
- 早めの申請・教育機関の選び方によって、ビザ処理のスピードが変わるため、留学生や支援者は十分な準備が不可欠です。